浮気・不倫のトラウマの乗り越え方
~浮気・不倫の心の傷跡~
浮気・不倫の及ぼす影響と対処法
不倫発覚後のショックは相手を好きであればあるほど大きく、信頼感を裏切られたショックはトラウマとなり、心も身体も傷つけてしまいます。
カウンセリングでも不倫発覚後の相談を多く受けますが、
今回はそのトラウマの対処法を、不倫が及ぼす影響から順に考えていきます。
1. 浮気・不倫の影響が及ぶ範囲
浮気・不倫は大人だけの問題に見えるかもしれませんが、
その影響は傷ついたパートナーだけでなく、家族全体に及びます。
子供でも、どこかで不貞の余波を感じてしまい、
トラウマを経験する可能性があります。
2.浮気・不倫発覚
浮気・不倫の発覚は、関係の中で築いた信頼とコミットメントを壊す痛ましい瞬間です。
この信頼の喪失は、感情的、物理的、オンラインを通じてなど、
さまざまな形で発生する可能性があります。
浮気・不倫の発覚は、家族にとってのストレスの最初の兆候です。
傷ついたパートナーは今こそ思慮深いセルフケアに取り組むべきであり、
関与したパートナーは正直になり、修復を始める時期です。
3.感情的な影響
不倫を経験した人々は、感情的な影響に直面します。
喪失感、傷つき、怒りといった感情がジェットコースターのように変化し、
自分自身では制御が難しい場合があります。
不倫後ストレス障害という言葉がこの状態を表すのにぴったりです。
裏切られたパートナーは自尊心や自尊心が著しく損なわれる可能性があり、
信頼の低下は関係に深刻な影響を与えます。
4.信頼性の問題
不倫の最も重大な結果は、信頼の低下です。
どの関係でも信頼は愛、コミュニケーション、感情的な結びつきの基盤を築きます。
信頼を再構築するのはとても難しく、将来の関係に傷を残すことがあります。
5.不倫が子供に与える影響
親の不倫は、子供に深刻な影響を与える可能性があります。
別居や離婚につながり、子供たちの生活に混乱をもたらすことがあります。
不倫が学力にも影響を与え、将来的な健全な関係を築くのが難しくなる可能性があります。
不倫自体は子供へばれなかったとしても、それによる両親の不仲が影響を及ぼす可能性があります。
子供たちは精神的な苦痛や違和感を感じ、不倫によるトラウマから回復するのは容易ではありません。
6.浮気・不倫のトラウマへの対処法
浮気・不倫からの回復は個別に異なる問題のため、治療を開始する前に状況確認が必要です。
ゴットマン※モデルは有効な関係回復ツールの一つであり、償う、対話する、信頼回復といったステップが関係の修復を助けます。
(※ゴットマン→結婚生活・夫婦生活の研究博士)
償う
まず、償いの段階では、相手に与えた心の傷について謝罪し、不倫前および不倫中の関係の問題における自分の役割に責任を負う必要があります。
対話する
次に、問題を解決し、新しいなにかを一緒にするなど、双方にとってより効果的な対話の新しい方法を見つけることを目的としています。
信頼回復
そして信頼を再構築し、新しい方法で再び近づき、より強い絆を生み出すことです。
結論
不倫のトラウマを癒す正しい方法は一つではありません。
ただし、傷つき傷つけあったカップルだけでの修復は感情的になってしまい難しいのが現状です。
そんな時、適切なツールと方法を備えた専門家のサポートにより、大きな変化を生むことができます。信頼を再構築するには、適切なカップルカウンセラーの協力が近道となります。
不倫の傷は大きいものですが、お互いに希望すれば、関係の修復は可能です。
★カウンセリングでの主な2つの対処法
カウンセリングで不倫のトラウマに対処するには、EMDRやARTのようなトラウマトレーニングも役立ちます。
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)
ART(Accelerated Resolution Therapy)
は、共にトラウマ処理に焦点を当てた心理療法です。
以下に、それぞれの手法の具体的な内容を説明します。
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)
EMDRは、1980年代にフランシーン・シャピロ博士によって開発されました。主に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に使用されます。
EMDRの基本的な考え方は、トラウマ体験が適切に処理されると、その負の影響が軽減されるというものです。
再処理と統合:
トラウマ体験が再処理され、新しい認識や感情が統合されることで、クライアントはトラウマの影響を軽減し、前向きな変化を体験します。
ART(Accelerated Resolution Therapy)
ARTは、1988年にアンドレア・タペスキー博士によって創設されました。主にPTSDやトラウマ関連の問題に焦点を当てています。
ARTセッションは通常、クライアントが特定のトラウマ体験に焦点を当てる形で進行します。話し合いや視覚的なガイドを通じて、クライアントはトラウマを処理し、自分で解決する手助けを得ます。
クライアントは、トラウマ体験を思い起こしながら、カウンセラーの指示に従ってそのイメージを変容させます。
これにより、トラウマの再構築と新しい意味への変換が促進されます。
共通点
どちらの手法もトラウマからの回復を目指しています。
クライアントは過去のトラウマ体験を思い起こし、それを安全な環境で再構築・再処理するプロセスをカウンセラーと行います。
カウンセラーのサポートが重要であり、クライアントはその過程で新しい意味を見出し、前向きな変化を経験します。
これらの手法はトラウマ処理の個別のニーズに対応するため、クライアントとカウンセラーとの連携が重要となります。
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